DTMを始めるのは難しいのか簡単なのか

音楽と関係ないですが、絵を描くことを考えてみましょう。

学校の授業で校外で写生をしたり、好きな漫画のキャラクターを落書きした経験がある人は多いと思います。

これらは実際に存在しているものを模写する行為です。写生は3次元の世界を2次元に書き写すという難しい所もある行為なのでひとまず置いといて、キャラクターの模写について考えてみましょう。

 

模写は恐らく好きなコマの絵のキャラクターをそのまま書き写すことから始めると思います。

上手く書き写せなければ薄い紙を載せて線をなぞるという裏技も使うでしょう。

何回も書き写していくうちに慣れてくると同時に飽きも感じ始めます。

そうすると次のステップとして色んなポーズのキャラクターを描いてみたりします。

そうこうするうちに、自分が考えた物語の中でキャラクターを動かしています。

そして同人が誕生するのです(笑)

 

画像掲示板を覗くと自分のお気に入りのキャラクターを描いている人が多数います(需要もあるからなのでしょうが)

そのまんまの模写はさすがにアレですが、オリジナルでなくても批判される事なく受け入れられていて楽しそうです。

 

では、音楽に戻ってみましょう。

こちらではオリジナリティとクオリティが求められ、やれ「音のバランスが悪い」だの「コード進行がありきたり」だのと批判されます。(自分が見たのが酷かったのかも知れませんが)

また、DTMについて書かれたサイトを覗くと音楽理論シンセサイザーの仕組みなどが目に入ってきて思わず身構えちゃいます。

 

こういう状況を見ると演奏技術の無さも手伝って「音楽って難しい」と諦めてしまう人もいるのではないでしょうか(はい、私です)

 

カラオケから始めよう!

 

という訳でDTMの第一歩としてお勧めするのが「好きな曲のメロディーを模写する」です。

歌う方のカラオケは歌手の模写です。何回もCDを聴いてマネして徐々に似せていきます。

模写のプロセスに音楽理論はありません。ただ目の前にある音を真似ていきます。

絵に当てはめると最初の書き写しと同じです。

 

歌うカラオケは歌う技術と近所迷惑にならない場所が必要ですが、DTMではイヤホンとMIDIデータという強い味方がいるので、技術は(そんなに)必要ないですし、場所も選びません(度胸があれば)

 

DAWに好きなオーディオデータを取り込んで、好きな音色でメロディーをなぞっていく。完成したら音色を変えたり、効果を付けて遊ぶのもいいと思います。

メロディーが聞き取れなくてイライラしたら、気分転換に曲に合わせてドラム音源でドンパンするのも楽しいです。

 

絵ではキャラクターに色んなポーズを取らせる段階になってパース、構図、配色などの絵画理論の壁にぶつかります。

音楽でも同じようにメロディー以外の音を模写したり、アレンジを加えようとすると調、コードなどの壁にぶつかります。

でもまぁ、理論を知らなくても音を鳴らしたときに「気持ちいい」のか「ちょっと違和感を感じる」のか自分の心に耳を傾けていれば、大きく間違える事はないと私は思います。

 

話はズレますが、一昔前MIDIデータをネットで配布するのが流行っていた時期があり、この頃は有名な曲を模写(耳コピといいます)したものがゴロゴロしていました。

コピーの上手いヘタはありましたが、ヘタだからといって叩かれるような事はなく楽しい世界だったと思います(思い出補正?)

著作権の関係で今は見かけなくなってしましましたが、二次利用についてもう少し緩くなれば、また昔のようにDTM人口が増えるんじゃないかなぁなんて考えてしまいます(同人誌ならぬ同人譜なんか作っちゃったりして)

 

DTMを始める難しさ

 

さて、カラオケから始めるといっても、DTMの難しさはまだいくつか残っています。

まず英語。とにかく英語。もうね、ウンザリします。「日本語対応していないから★1つです」なんて甘っちょろい事言ってられません。外国製のアプリが多いので、これはひたすら我慢強く慣れるしかないですね。

 

次にアプリの操作です。絵は紙と鉛筆があれば始められますが、DTMではアプリを使わなくてはなりません。ですので効率良く進めるためには、あっちこっちに手を出すのではなく、Youtubeなどでアプリの解説をじっくりと検証し、これだというアプリを手に入れて操作を覚えていくのが良いと思います。

 

それからお金。DAW紹介でも分かる通り音楽アプリは一般アプリに比べて高いです。iPadで完結するなら1~2万で一通り揃いますが(それでも高い!)、パソコンのDTMなんて手を出した日にゃ天井知らずの世界が待っています。

(同じ機能のアプリでだいたいiPadの10倍の価格です)

 

最後の難しさは「音楽は目に見えない」ことでしょうか。

絵は静止しているのでじっくりと観察する事ができます。しかし音楽は時間と共に流れていくので何度もリピートしないと確認できません。これが地味に時間を食うし、ストレスになるんです。

(最初の頃は「こんなに時間をかけてこれだけしか出来ないのか…」なんて凹みますが、音楽は慣れていくのが早いので半年もすれば、ある程度サクサクできるようになります)

 

以上からDTMは「敷居は高いが、跨いで歩き始めればそんなでもない」という事になるのでしょうか?