高機能でクセの強いModstepの使い方1
私はピコピコ音楽中心に遊んでいますが、ピコピコ音楽の特徴として
1~2小節のフレーズを繰り返す、というものがあります。
繰り返すといっても、ただ延々と繰り返すだけだと面白くないんで、繰り返しながら音色を少しずつ変化させたりします。
ここで適用される変化(モジュレーション)の王道はシンセに搭載されているフィルターの Frequency と Resonance で、演奏する度に手動で動かすのではなく、MIDIデータとして記録するのが一般的です。
iPad の音楽アプリでこのような変化を自動化させようとすると、難しいものがあります。
例えば Cubasis では「オートメーション」という機能で実現できる
のですが、使い勝手は悪いです。マジでイライラしてハゲます。
そんな中、2015年の12月に「Modstep」というDAWアプリが
発表されました。
このアプリは Cubasis や Garageband と違って1~数小節を一つの単位にした塊(クリップ)を繰り返し演奏します。
また、トラックごとのクリップを一まとめにして「シーン」という単位にすることができ、自由にシーンを切り替えられます。
Cubasis のようなアプリで作った曲をこのスタイルに変換すると下図のようになります。
ただ、実際はあまりこのような配置にはなりません。
なぜなら、このスタイルではシーンやクリップをタップするとタイミングを合わせて再生クリップ、シーンが切り替わる機能があるからです。
なので、即興的に組み合わせを変化させる方が多いです。
(もちろん Cubasis 的な使い方もできます)
このスタイルは ableton Live というパソコン用ソフトが元祖で、非常に人気が出たため様々なソフトに取り入れられています。
少し脱線しましたが、初めに書いた自動で変化(モジュレーション)
させる機能は Modstep にも搭載されています。
変化の記録・編集は Cubasis より容易です。
…ですが、このアプリは非常に操作にクセがあります。
なんというか直観的でないです。
ということで、この気難しい Modstep の使い方の解説を何回かに分けてお送りします。
メイン画面について
まずは起動画面
アプリを立ち上げた後は下のようになります。
先に説明したように、縦がトラック・横がシーンです。
一番初めは「Add Track」でトラックを追加し、そのトラックをタップしてアクティブにした後、左上にある「browser」をタップします。
タップ後に出てくる画面で、楽器を追加するには「Instruments」、エフェクターを追加するには「Effects」をタップします。
「Instruments」をタップした場合、下のように3つのカテゴリーが出ますが、一番上は Modstep に内蔵されている Sampler(ドラムキット)とSynth(文字通りシンセ)、真ん中は IAA に対応したインストール済のアプリ、一番下は AU に対応したインストール済のアプリが選択できます。
選択したアプリをトラックに追加するにはアプリをタップしたまま追加したいトラックまでドラッグします。
そしてトラックの下にあるクリップエリアのグレーの部分を1回タップすれば空のクリップが作成されます。
さて、打ち込むぞぉ~!
の前にちょっとまって!
Modstep にはいくつも知っておいた方がよい事があります。
まずはセーブ&ロードについて。
画面右上の紙アイコンを押すとファイル管理画面になります。
セーブはまあ、普通に「Save」ボタンを押せばいいというのが分かりますが、ロードがちと分かりにくい。
今まで保存したデータは一番左に表示されます。これをロードしたい時は、一度ファイル名をタップしてアクティブにした状態で
一番右の「Load」ボタンを押します。
なんで画面の端から端まで使わないとアカンのよ…もっと近づけても良かったんじゃね?
ちなみに真ん中やや右にある「Session Autosave:~」は何かアクションした時に自動でセーブされるファイルです。
また、下の「Audio Recordings」と「Midi Files」は当分気にしない方が幸せです。
セーブとロードは分かった!
よし、やるぞぉ~!
ちょっと待って!
編集画面と機能についても知って欲しい事があります。
編集作業は主に左上のアイコンを使って画面を切り替えて行います。
この画面の上段にあるアイコン群は画面を切り替えます。
これはトラックとクリップを表示する画面になります。メイン画面ですね。
メロディー楽器のMIDIデータを編集する画面になります。Cubasis でいうピアノロールです。
ドラムのMIDIデータとモジュレーションを編集する画面になります。
ここでメロディー楽器のMIDIデータも編集できそうですが、私は諦めてます(笑)
モジュレーションの対象をセッティングする画面になります。
ここで変化させる対象をセッティングして、ドラムのMIDIデータを編集できる画面で変化を編集します。
これも分かりにくいッスよ…一つの画面でセッティングと編集させてよ。
トラックに設定されたアプリを開きます。
で、下段の単語類はサブ的な機能になります。
「browser」は最初にトラックにアプリを追加するのに使いましたね。
「keyboard」は仮想キーボードを表示します。アプリ編集以外の全ての画面で開きます。
閉じるときはもう一度「keyboard」をタップします。
「edit」はコピーや削除を行います。
左はコピー、真ん中は…知らん、右は削除です。
コピーの方法は、アイコンをタップしてからコピーする対象をコピー先へドラッグします。
範囲コピーはアイコンをタップ→ドラッグして範囲を決める→決めた範囲をコピー先へドラッグします。
削除の方法は、アイコンをタップしてから削除対象を2回タップします。
範囲コピーと同様に削除することもできます。
「transp.」は移調、「quantize」は手で演奏したデータを設定した音符の範囲で揃えます。
以上が基本で押えておきたい点でした。
私がアホなのか、Modstep との相性が悪いのか、コピー・削除で結構悩みました(笑)
モジュレーションは今だに分からない事もあるし…
そんな中途半端な知識ですが、次回はMIDIの打ち込みに行きます!