iPadの音をスピーカーで鳴らそうとして失敗した話

iPadをいじくり回していると内蔵スピーカーやヘッドホンでは物足りなくなって、やっぱりスピーカーからそこそこの音量(家族から苦情がでない程度)で鳴らしたいなぁ~、なんて欲望が湧いてきます。

 

そこで自分なりに調べた結果「オーディオインターフェイス」があれば幸せになれるという事が判明しました。

iPadのLightningポートとオーディオインターフェイスを繋いで、デジタルなオーディオデータをお届けすることで音質良くスピーカーから鳴らせるって寸法です。

図にするとこんな感じ。

f:id:sstr649286:20150812153608j:plain

 

で、オーディオインターフェイスを購入しようとしたのですが、これが3千円から30万円までと幅広い価格で商品も山ほどあるのです。

もうね、情報も入り乱れて初心者には何がなにやらな世界です。この混沌の海の波打ち際でチャプチャプした私ですが、僭越ながらオーディオインターフェイスについて紹介させていただきます。

 

まず価格についてですが、主に下の4つの要素で決まっているようです。

・音質
・接続できる数
・安定性
・反応の良さ(入力と出力の時間差=レイテンシ)

 

まあ、音質は当然っちゃ当然ですね。デジタル→アナログとアナログ→デジタルの変換の質が音質となります。

 

接続できる数は「8in/4out」みたいに書かれている部分です。多い方が高価になります。接続の数には注意が必要で、単位がモノラルジャックなのでステレオ接続するには2in必要となります。ですので、8inはステレオ機器が4つ接続できるという意味になります。

また、入力方式も全てが普通のジャックではない場合もあるので注意しましょう。ちなみにUSB接続はこの数にはカウントされません。

それから普通のジャックもマイクプリアンプ(マイクやギターは信号が弱いのでそれを増幅する装置)が付いているものもあります。

歌やギターを録音したい人はマイクプリアンプがあるものを選びましょう。

 

接続数が価格に及ぼす影響は大きく、同じ音質でも接続数が少ないと安いです(steinberg社のオーディオインターフェイスで入力が2減ると5,500円安くなっていました)

だからといって、ヘタすりゃiPadしか接続できない位の商品を買っちゃったら、歌を録音できなくて泣くハメになるかも知れません。

ですので、後々の拡張性を考えないとしても2in(マイクプリアンプ付)くらいが妥当だと思います。

 

ついでに接続するプラグ形状について説明します。

(プラグは差す側、ジャックは差される側です)

f:id:sstr649286:20150812161249j:plain

左からステレオミニプラグ(イヤホンなど)、標準プラグ、XLRプラグ(マイク)、midiプラグ(midiデータ用)です。標準プラグは先にある黒い帯が1本(モノラル)が普通ですが、帯が2本(ステレオ)のものもあるので、買う時は確認しましょう。

「コンボジャック」というものがある場合もありますがこれは標準プラグとXLRプラグのどちらも差せるジャックだという意味です。

 

さらにUSB接続も説明しちゃいます。

f:id:sstr649286:20150812162410j:plain

こんなん分っとるわい!

と仰る方もいると思いますが、左からUSBタイプA、USBタイプB、ご存じLightningです。USBタイプBは主にデータを発信する側の機材に使います。DTM関連の機材でケーブルが付属していない、ケーブルの長さが足りないなどの理由でUSBケーブルを買うときは気を付けましょう。

 

話をオーディオインターフェイスに戻します。

オーディオインターフェイスの安定性ですが、これは実際使ってみないと分からないですかね。ちなみにRME社のオーディオインターフェイスは安定性抜群らしいですがお高いです。私が持っているオーディオインターフェイスはそこそこ安い価格ですが、たまにグズる時があります。

 

反応の良さは入力から出力までの遅延です。これは扱うオーディオの周波数とバッファサイズで理論値が決まり、オーディオインターフェイスのドライバやDAWで実際の遅延が決まります。

理論値については、CD音質を44.1kHz、1ミリ秒(ms)を1000分の1秒として、扱う周波数が48kHzでバッファが256サンプルだと5.3ミリ秒になります。また、96kHzで512サンプルも同じ5.3ミリ秒です。

 

バッファが256サンプルの場合:96kHz→2.7ms、48kHz→5.3ms、44.1kHz→5.8ms

バッファが512サンプルの場合:96kHz→5.3ms、48kHz→10.7ms、44.1kHz→11.6ms

 この理論値にドライバ・DAW由来の遅延を足して実際のレイテンシとなります。

 

では、実際どんくらいがいいんよ?という話になりますが、実際のレイテンシが四捨五入して10msなら問題なさそうです(個人差大いにあり)

恐らく1万円以上のものならレイテンシはそれほど神経質にならなくても問題なさそうです。

ちなみにiPadアプリのレイテンシは概ね10ms以下に抑えてあるようです(設定によりますが)

 

私は何を失敗したか

 

エラそうにオーディオインターフェイスについて語りましたが、私が買ったオーディオインターフェイスは「iPadに繋げられない」ものでした。

…致命的にダメですよねこれ。何考えて買ったんでしょうか…

 

厳密にいうと繋げられるのですが、iPadのイヤホンジャックとオーディオインターフェイスを繋ぐ形になります。最初の図に合わせるとこんな感じ。

f:id:sstr649286:20150812174747j:plain

でもこれはオーディオインターフェイスでなくても安いオーディオミキサーでも同じ事になるんです。f:id:sstr649286:20150812174845j:plain

※オーディオミキサーはアナログの音をミックスする機材です。

BEHRINGER ベリンガー XENYX 302USB ミキサー

BEHRINGER ベリンガー XENYX 302USB ミキサー

 

 

 アナログじゃダメなんだよ!デジタルがいいんだよ!

…では、iPadに繋げられるかどうかの違いは何かというと「USBクラス・コンプライアント」に対応しているかどうかという事です。

はい、出ました訳分からん横文字。USBクラス・コンプライアントは「専用のドライバがなくてもデジタルオーディオを扱えまっせ」 という意味です。

 

パソコンなら専用のドライバをインストールして使えるようにするのが一般的ですが、iPadはアプリはインストールできますが、ドライバはインストールできません。

なので、iPadを繋ぐにはドライバ不要のオーディオインターフェイスが必要になるのです。

具体的には安い所でsteinberg社のUR242辺りになるのでしょうか。

 

参考までに私が買ってしまったオーディオインターフェイスについて

買ったもの:MOTU社のAudio Express

 

入出力:6イン6アウト

※アナログ4イン(アウト)+S/PDIF2イン(アウト)ですが、S/PDIF機材を持っていないので実質4イン(アウト)。

 

サンプリングレート:最高96kHz/24bitかつバッファ128サンプル

 

接続方式:firewire400かUSB

 

安定性:時々かくれんぼする(PCから認識できなくなる)

※パソコンが立ち上がってから電源ON、パソコン切ってから電源OFFを心がけたらかくれんぼしなくなった。

 

反応の早さ:文句なし

※96kHz/128サンプルでDAW上でイン2.4ms、アウト2.9ms合計5.3ms

 

音質:これしか知らないから何とも言えませんが、不満なし。

※オーディオインターフェイスだけでなくスピーカーとスピーカーを置く環境も最終的な音質に絡んできますので、マンションの6畳間にはこれで十分な気がします。

(と自分に言い聞かせている)

 

 ↓アマゾンでは6イン8アウトと書いてありますが、6アウトです。

 

次回は紆余曲折の末、このグズっ子にiPadをデジタルで繋いだお話をいたします。