iPadの音楽アプリ(DAW編)

DTMにおいて要となるDAWアプリについていくつか紹介いたします。

DAWは元々PC用として発展してきましたが、近年iPadにおいても数多くのアプリが誕生しています。

全てを紹介するのは難しいので、自分が触ったものを挙げていきます。なお、以前解説したスタイルに適しているか★で評価しています(★5個が満点)

 

GarageBand

   録音:★★★★

ポチポチ:★

     DJ:なし

GarageBand

GarageBand

  • Apple
  • ミュージック
  • ¥600

 

 通称「ガレバン」。Apple謹製のDAWです。

録音も演奏記録(MIDIデータ)もできますが、演奏技術がない人にはちとキツイ。勝手にフレーズを奏でる半自動演奏モードもありますが、すぐに物足りなくなると思います。メロディーやドラムは結局自分で演奏しなくちゃならないのでMIDIデータを扱えるといってもほぼ録音スタイルなアプリだと考えた方が良いです。

エフェクトの種類が少ないのも残念な点です。

 

Nano Studio

     録音:★

ポチポチ:★★★

     DJ:★

NanoStudio

NanoStudio

  • Blip Interactive Ltd
  • ミュージック
  • ¥840

 

 Garagebandとは真逆にポチポチメインなのがNano Studioです。メインだけあってMIDIデータの編集はタッチパネルに最適化されていて使いやすいです。

入っている音源(楽器)はシンセサイザー(ピコピコですな)とドラムのみですが、良い音が揃っていて使えます(オーディオデータを取り込んで使えるようにする方法もありますが中級向け)

DJスタイルに★が付いているのはパッドと呼ばれるボタンが並んだ楽器(?)があり、タイミング良くボタンを押して演奏する事ができるからです。

こんな感じ

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面白い特徴としてNano Studioにはwindowsmac版もあり、これは無料でダウンロードできる事が挙げられます。正直、使わないですが

 

欠点としては外部アプリとの連携が悪い事、全部英語な事ですかね。

 

BeatMaker2

        録音:★★

ポチポチ:★★★★

     DJ:★

BeatMaker 2

BeatMaker 2

  • INTUA
  • ミュージック
  • ¥1,200

 

 BeatMaker2もNano Studio同様ポチポチメインのアプリです。

できる事もほぼNano Studioと同じですが、外部アプリとの連携が良いです。

自分は最初にこれを買ってYMOライディーンをコピーしました(お約束)

欠点はNano Studioもそうですがオーディオデータが扱いにくい事、全部英語なこと、一つの事をやるのに何回も画面タッチしなくてはならない事です。

 

紹介しておいてなんですが、Nano StudioもBeatMaker2もDAWとしては初期のアプリですので後発のアプリと比べると古臭く、操作性も良いとは言い難い所があります。

ですが、BeatMaker2はアプリの安定性はバツグンなので安心して使えます。

 

KORG Gadget

        録音:(★★)

ポチポチ:★★★

     DJ:なし

KORG Gadget

KORG Gadget

  • KORG INC.
  • ミュージック
  • ¥3,600

 

外部アプリとの連携なし、オーディオデータを扱うには音源(楽器)を別に購入する必要がある(なので録音スタイルにはカッコが付いています)、楽器の鍵盤が小さい&鍵盤数が少ない、と書くと「使いにくそう」という印象を持ちますが、Gadgetはそんな欠点を覆い隠すほどの魅力的な音源が揃っています。

もちろん有料の音源もあり、良いものは高く(2千円オーバーもあり)その音源自体にもアプリ内課金があったりするという恐怖の仕様です。

2千円クラスの音源は置いといて、高くない音源を揃えると外部アプリとの連携がなくても完成されられるくらいの充実ぶりになります。

 

MIDIデータの編集は良く考えられており、使いやすいです。また、曲全体の編集方式もユニークで分かりやすいです。あと日本語対応なのが何気に助かります。

年に何回かセールをやっている(いた)ので、買うならセールを狙うのが吉かも。

 

Cubasis

        録音:★★★★★

ポチポチ:★★★★★

     DJ:なし

Cubasis

Cubasis

 

 パソコン用のDAWで超有名な「Cubase」のiOS版です。

今まで紹介したアプリではできない調整ができる(やり辛いけど)、オーディオデータも扱いやすい、外部アプリとの連携も十分と良い事だらけのアプリです。さすが値段が高いだけあります。

Cubasisで作ったデータをパソコン版の「Cubase」に取り込めるので、

出先で軽く作った曲をパソコンで作り込む事もできます。

(パソコンでDTMできる環境を作らなくてはなりませんが…)

 

欠点は音源が豊富なんだけどちょっとショボイ、余計なドラムループ(2小節程度のドラムだけ演奏したデータ)が大量にある、結構致命的なバグに遭遇する事がある、全部Englishなとこでしょうか。

(アップデート頻度は低くないので、バグは少しずつ良くなっています)

 

あと、自分の操作が悪いと思うのですが、MIDIデータの編集でMIDIデータのノート(音程のデータ)を選択して動かそうとすると「ピュッ」とどっか遠くに行ってしまう事多々あり(まあ、慌てず騒がず「undo」を押せばいいんですけどね)

MIDIデータの編集は細かい調整が多岐に渡ってできる代わりにちょっと使い勝手が悪いという感じです。

 

とはいえやっぱり便利なので自分はメインでCubasisを使っています。

ごくたまにセールをやっているっぽいので狙ってみては?

 

Auria

        録音:★★★★★

ポチポチ:なし

     DJ:なし

Auria

Auria

  • WaveMachine Labs, Inc.
  • ミュージック
  • ¥3,000

 

録音スタイルのみに特化した漢のアプリ。全て英語。

オーディオデータの編集、エフェクト、ミキシング、マスタリングにおいて他のDAWを寄せ付けません。正直感動しました。

そして気を抜くとあっという間にオーバーロード(処理が追いつかず止まってしまう事)してしまう負荷の高さに泣きました。

でもオーディオデータを扱うには使い勝手・品質どちらも最高峰だと思います。

 

演奏技術がない人の使い方としては、他のDAWで作ったデータを取り込んで弄り回したり、ミキシングとマスタリング処理を施して最終完成に持っていくのがメインになります(自分はそうやって使ってます)

 

 MultiTrack DAW

        録音:★★★

ポチポチ:なし

     DJ:なし

MultiTrack DAW

MultiTrack DAW

  • Harmonicdog
  • ミュージック
  • ¥1,200

 

 これも録音スタイルに特化したアプリ。全て英語(泣)

Auriaに比べて動作が軽いので、ちょっとしたフレーズを録音するのに大変重宝します。

操作もシンプルで、できる事がはっきりしているので扱いやすいです。

(オーディオデータの編集にちょっとクセがありますが、すぐ慣れます)

DAWと名前にありますが、個人的には録音・編集アプリだと思います。

(編集は不要な部分をチョン切ったり、くっ付けたりするしかできませんが、Cubasisよりちょっと上です)

 

自分はCubasisメイン、MultiTrack DAWサブ→Auriaでまとめる流れか、Gadget一本で作る流れかの2通りで制作しています。今後の解説はCubasisで行っていきますが、なるべくここに紹介していない他のDAWでも再現できるように努めます。